電子ドラムは自宅での練習に必要??
皆様はドラムを始めようと思った時や、またはドラム練習する中で、電子ドラムが自宅にあったら良いなと思ったことはありませんか??
もちろん私も例外ではなく、ずっと欲しいなと思っていました。何度も楽器屋さんに展示してあるものを試奏したり、カタログを見て妄想を膨らませていましたw
ドラムに限らず、新しいことやより難しいことに挑戦する時、さらには今よりもっと上手くなりたい時などは、必ずと言っていいほど練習が必要だということを誰しもが経験しているかと思います。
例えば野球、ゴルフなどのボールを打つために素振りをしたり、早く走るためにランニングをしたり、美味しい料理を作るために料理教室で習ったり、または字をきれいに書くために書き取り練習することだってありますよね。
もちろんドラムや他の楽器の演奏にも練習は欠かせないですし、カラオケに行って歌を練習する 方もいらっしゃるかと思います。
何事においても、練習無くして上達はないですよね。
今回は、ドラムを習い始めるときや練習するのに、電子ドラムが必要なのかどうかについて触れていきたいなと思います。
「練習するなら練習パッド」
まず、ずばり結論から言ってしまうと、スティックの練習をするだけなら、練習パッドで十分だと思います。
自宅での練習はもちろん、ライブ前のウォーミングアップなんかにも使えます。何かと場所を取らずに気兼ねなく使えるのが魅力的ですね。
ところで2022年8月公開、阿部寛さん主演の映画『異動事例は音楽隊』をご存知でしょうか?
この映画で、阿部さんはドラマーを演じる事になりましたが、全くの楽器初心者。それにも関わらず、わずか3ヶ月のトレーニングだけで、ドラマーとして違和感なくその役を演じていました。
阿部さん本人が王様のブランチに出演した際に、
「1ヶ月半は練習用パッドで練習してて、その後本物のドラムで叩いたら叩きやすいと思った」
と言っていました。
最初は練習パッドを使った基礎練習だけでも成り立つ事がお分かりいただけるのではないかと思います。
ただ、練習パッドだけでは物足りないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで、本物のドラムは無理だけど電子ドラムなら良いかなと思う方が多いかと思います。
「電子ドラムと、アコースティックドラムは、どこが違うの?」
電子ドラムとアコースティックドラム(以下「生ドラム」)の違いは、 音の大きさに1番違いがあると思います。
生ドラムは、シェルと言われる筒状の胴体に、ヘッドと言われるものが張ってあります。
そのほとんどはプラスチック製で作られていて、それらをスティックで叩いて音を出しています。
さらに、シンバルと言われる、お鍋の蓋をさらに大きくしたような、丸い金属のシート状のものもスティックで叩きます。
みなさま、ご想像してみてください。
自宅で、それらを同時に叩くと、近所迷惑となること間違い無いですねw
それくらいの爆音を鳴らしているのが、生ドラムになります。

一方、電子ドラムは、胴体であるシェルが薄く、ヘッドにはメッシュヘッドと言われる、特殊な糸を編み込んだ、薄くて頑丈な生地風のものが張ってあります。これはスティックで叩いても音が柔らかく普通のヘッドに比べて比較的小さい音になります。
シンバルなどには、ゴム素材でできた練習パッドみたいなものを使うものが多く、どちらも消音効果には優れています。
Roland社製のTD-17KVX-S
ただ、これらを叩いただけでは、ポコポコ鳴るだけで肝心なドラムの音にはなりません。
そこでドラムの音源モジュール(以下ドラム音源)という、ドラムの音が組み込まれているものを使って、ドラムの音をスピーカーから鳴らします。
ですが、このドラム音源だけでも音が鳴らないのです。
そこで各パッドには、ドラム音源を鳴らすためのコントローラーの役割がついているのです。
ドラム音源とパッドを繋ぎ、パッドを叩くことで音源モジュールが反応してスピーカーから音が出るという仕組みになっています。
ROLAND社製のドラム音源モジュール TD-17
どちらも叩くということには変わりありません。
叩いたところから直接音が出るのか、スピーカーからドラムの音が出るのかで、音の大きさに違いが出てきますね。
さらに、電子ドラムの場合スピーカーからではなくイヤフォンや、ヘッドフォンも使えます。
ドラムの音が聞こえるのは自分だけで、周りにはパッドを叩いている音のみ聞こえるようになります。
これも大きな違いの一つと言えるかと思います。
「電子ドラムを購入する際のメリット」
さあ、ここまで読んでいただいたら解った方もいらっしゃるかと思います。
生ドラムも電子ドラムも、叩くという事に変わりありません。
何が違うかというと、そもそも叩くものが違いますよね。
演奏したときに出てくる音も違えば、叩いた感触も違うものになりますね。
例えば、硬式野球のバットでソフトテニスボールを打って練習する感じに似ているかもしれません。
硬いボールを打つバットに対して、柔らかいボールで練習しても、抵抗感やスピード感に合わず、上達が難しくなるように思えます。
または、バスケットボールでサッカーをやる、逆にサッカーボールでバスケをやるイメージかもしれません(笑)
同じボールでしょう?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、どちらも大きさが異なりますし、当然重さや周りの手触りも違います。
こんなこと言うとスポーツをやっている方からすると、何を言ってるんだろうと思われるかもしれませんが、
電子ドラムもまた同じように用途が違い、ただの練習用のドラムではないということが言えます。
電子ドラム最大のメリットは、電子ドラム特有のパソコンを使って制作をすることだと思います。
生ドラムには出せない電子音源を用いたりする事で、より音楽の幅を広げるための楽器だといえます。
最近はハイブリッドドラムという考えが多くあるくらいです。
プロの現場でも必ずと言って良いほど電子ドラムが組み込まれていると言っても過言ではないかもしれません。
もちろん、消音性にも優れているので、練習用に使う事も充分に考えられます。
消音性に加えて、電子ドラムならではのトレーニングモードなどもあります。
簡単にパソコンと繋いでmidiとして制作や自宅レコーディングにも活用できるなど、生ドラムにはできない事が出来るのが電子ドラムの最大の魅力ですね。
「電子ドラムを購入する際のデメリット」
そんな、電子ドラムを導入するのにあたって、デメリットももちろんあります。
自宅で練習をする場合には、防音する事が少なからず必須になります。
消音性に優れているので、2重窓にしたり、一軒家であれば簡単な防音対策でもよいかもしれません。
叩いた時の打音や振動は必ず発生します。
特にマンションなどにお住まいの方は要注意です!
階下への振動、さらには壁などを伝って上階まで音が響いてしまい、騒音問題に発展するなんてことが、十分に考えられるので、要注意ですね。
さらに、電子ドラムはどのモデルを見ても高額である事も導入の際に悩める問題です。
各メーカー色々な種類のものがありますが、特にパソコンとの連携を考えていたり、叩いたときの感触がより生ドラムに近いものになると余裕で10万を超えて、さらに高いものになると100万近いものも出てきます。
一番安いものですと、4~5万程度で買えるものもありますが、それでも高いですよね。さらに防音費なども考えると、無限大にお金がかかってしまいそうですね。
「電子ドラムより、スタジオでの練習がオススメ!!」
これまで、生ドラムと電子ドラムの違いについて色々と触れてきました。
じゃあ結局のところ必要なの??という話になってきます。
自宅に防音設備、電子ドラムを導入するには前述通り高額なお金が必要になってきます。
導入できる方は是非導入のオススメもします。
しかし、やはりちょっと難しいなーという方に、オススメするのはやはり、スタジオでの練習です。
そして、もし同じお金を電子ドラム等に使うのであれば、キックペダル、スネアドラム、を先にご購入するがオススメです。
スタジオに行くとどうしても前の方のセッティングが残っていたり、ペダルが踏みにくかったりと、調整するだけでも時間が食われてしまいます。
それを解消するのが、マイ楽器を導入するという事ですね。自分の好きなテンション、叩きやすいセッティングにしておく事で、練習する時のテンションも上がりますし、もちろんライブで使うことも可能となりますね。
もちろんシンバルや、その他タンバリンなどのパーカッションを購入するのもおすすめです。
人とは違う機材を使い、自分だけのサウンドを求めていくのが理想かなとも思います。
まとめ
色々と違いなどを述べてきましたが、結局のところお金がかかってしまうものなので、自分のニーズに合った楽器を買う必要があります。
必ず必要であるという事はないので、今一度検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、先ほど出てきた映画「異動事例は音楽隊」の本編にて、阿部寛さんが練習で使用していたYAMAHAのYD3000という廃盤機種のドラムが出てきましたが、
SCRミュージックドラム音楽教室のレッスンでも同じものを使っています。

この機種を使っているのはなかなか珍しいかと思いますので、阿部寛さんが叩いたものと同じものを叩いてみたいなという方は、この機会に是非SCRミュージックに叩きに来てみてはいかがでしょうか。
本文中の「異動辞令は音楽隊」の予告です。(引用:ギャガ公式チャンネル)